東京防災学習セミナー参加報告
・講師(公社)危機管理協会専務理事 高貝正芳氏による講演
・講師プロフィール(防災「いのちを守る@プロジェクトJAPAN」)
東京防災の冊子を活用しながらの説明と具体的な情報がいっぱい。とにかく東京防災の冊子を家族みんなでしっかりと読んでほしい
つくし野センターの海抜は65m。津波の恐れも山崩れもない。ただがけ崩れの可能性はあるし、浸水の恐れのある地区はある。道路も比較的広いので避難経路の確保もしやすいように思う。この地区に関しては倒壊や火災についての危険度は低い。火災については風向きや強さにもよるので一概には言えないが、いわゆる木造密集地域ではないので、比較的安心な街だと言える。ただ、何が起こるかわからないのが災害なので、防災意識を高めておくことはとても大切。
危険は家の中にある
転倒防止具の設置、ガラスの飛散防止などが大事だが先ず何よりも物を「捨てる、あげる、売る」などして、家の中のものを少なくすることが大切。胸より下の家具などを活用することで、高い位置からの物の落下を避け、仮にその家具が倒れても低ければ、身体全体が押しつぶされる危険が減る。転倒防止具などで、倒れるのを1分遅らせることが出来れば、より安全なところへ移動することもできる。
災害時の連絡方法を家族で話し合っておくことが大切で待ち合わせ場所は順番に3か所くらいを設定し、時間も決めておくと無駄がない。決めた待ち合わせ場所と時間に会えなければ、次の日の同じ時間に同じ場所でと決めておくことが大切。
被災地では安否確認と救助のふりをして、留守を確かめて泥棒に入ることが多く報告されている。家を離れるときに居場所を書き残すことは、留守を知らせることにもなるので要注意で、家族だけがわかるような暗号にすることも大事。自宅の被害が少なかった人が厚意で他人を招きいれたら被害に遭ったという事例もあるので、不用意に他人を中に入れないこと。
非常持ち出し袋を用意している人も多いようだが、重量についてよく考えてほしい。坂の多いこの街では3~4㌔が適当だと思う。持ち出し袋は自宅に置いている人がほとんどなので、出先で被災した時には間に合わないことも意識してほしい。
講師は小さなポーチに(笛・薬・絆創膏類・痛み止め・多用途ナイフ・マスク・保温シート・小型ラジオ・LEDライト・キシリトールガム・使い捨てフォーク)などを入れて携帯している
高価なものではなくても100円ショップで買えるものも多いので小さくて軽いものを選ぶことが大事。
熊本では被災範囲が狭く、近くに自衛隊の基地もあったので救助が迅速に行われたようだが、この街に支援の手が来ることはあまり期待しない方がよい。
この街の場合は避難所での集団生活というよりは、個人宅での生活が中心になると思われるが、避難所では寒い時には感染症やインフルエンザ、暑いときにはウィルス感染が増える。また栄養が偏るので口内炎なども多くなる。
講師がキシリトールガムを携帯しているのは口からの感染症予防のためである
避難所ではごみを最初から、通常の分別と同じようにしておくと、後日処分するときの手間が省ける。これは日常のルールを守ることになり、モラルの低下を防ぐためにもとても大切。
災害伝言ダイヤルは情報が48時間たつと消滅するので一度登録をしただけで安心しない。
日常備蓄の勧め
特別な防災品というよりは日常使っているものを、使い切ってから買いにゆくのではなく、常に余分に買い置きするように心懸ける。わが家の冷蔵庫は近所のスーパー(コンビニ)と便利な生活をしていると、地震等がおさまって買いに行っても棚は空っぽということになる。
少し落ち着いて腹こしらえという時に、家族の誰でも手軽に利用できるように水や火を使わずに済む食品があると助かる。パンやビスケットは飲み込みにくいので、ビタミンやミネラル入りのゼリー状のパックされた物がお勧め。
支援物資として届く可能性のあるおにぎりは、保管や運搬の状況をよく確かめることが大切、人の手で作ったものはかかわった人が多いほど、また時間が経過するほど、ばい菌も増えると覚えてほしい。工場などでパックされたものでも、運搬や保管方法を確かめたい。
グループに別れての話し合いでは、平日の昼間どこにいるか、その時地震が起きたら何をするか、時間の経過とともに何をするか、翌朝の行動、数日後の行動などについて話し合いをした。何より大切なのはまず、自分の身を守ること。自分の身が守れなくては他の人を助けることはできない。
特別な技術(無線・電気・建築関係)や資格(医師・看護士・○○士)のある人を把握しておくことは、より迅速な対応を可能にする。