地域活動で未来志向のマインド

地域活動する方から、あまりにも前任者や過去の事を否定するので「自分もいつか言われるかもと身構えてしまう」「萎縮してしまう」という話しを耳にしました。

長年地域活動をされてきたので伺いたいのでと、ご相談に応じました。

本来、「過去を否定しない」「前任者のせいにしない」という考え方は、リーダーシップや人間関係において非常に誠実だと思います。

どんな団体にも共通して言える事ですし、この姿勢を貫くことで得られるメリットの方が多い事を自分なりの経験から整理してお話ししました。

1. なぜ「前任者のせいにしない」のが良いのか

新しい環境や役職に就いたとき、前任者のミスや非効率なやり方が見つけ、つい「あいつはろくな事をしなかった」「あいつのせいで」と言いたくなるものです。

しかし、それをあえて言わないことには大きな価値があると思うんです。
前任者を批判すると、周囲(特に前任者を知る人達)は「自分もいつか言われるかも」と身構えます。
逆に前任者を尊重する姿勢は、人格者として器の大きさを示しますし、周囲の信頼を勝ち取る事につながります。
他人のせいにしている間は、解決策などを考える脳が止まってしまって空転します。

「起きたことは変えられないが、これからの結果は変えられる」と決めることで、生産性が上がります。
「引き継いだ瞬間から、それは自分の責任で進める」という覚悟は、リーダーとしての最大のポイントだと思うんです。
自治会でもなんでも、皆さんそうやっていると思います。

2. 「過去を否定しない」ためのマインドセット

「過去を否定しない」とは、過去の失敗や負の遺産を「悪」と決めることではなく、「事実として全て受け入れる」ことだと思うんです。
後から見れば「なぜこんなことを?」と思う判断も、当時はその時の知識や状況で最善の選択だった可能性だってあります。

また、過去を否定するのではなく、「この経験があったから、次はもっと上手くやれる」と、未来への材料(データ)に変えるのが良いです。

3. 具体的な「未来志向な言い換え」

もし、過去の問題点を指摘しなければならない場面があれば、主語を「前任者」から「仕組み」や「現状」に変えるのがスマートです。
避けるべき表現(他責)を、信頼される表現(自責・未来志向)に言い換えるのがベストマインドです。

例えば…
「前任者がろくな事をしなかったから…」→「現状を分析した結果、さらに改善の余地が見つかりました」
「昔のやり方が間違っている」→「今の時代のニーズに合わせて、アップデートしましょう」
「なんでこんな風にしたんだ」→「これからは、このルールで運用していくことにしました」

大切なのは「これからどうするか」過去や他人のせいにしたくなる瞬間は、誰にでもあります。

まして、過去の大きな実績を嫉妬心から否定するとなると負のスパイラスにハマってしまいます。

また、今の苦労を誰かに分かってほしいという思いもあるでしょう。

しかし、そこで踏みとどまって「過去を丸ごと抱えて、未来へ進む」ことを選ぶ姿は、周りの人の目にはとても強く、頼もしくさえあります。

まとめ

前任者や過去をも優しく包み込みながら進むリーダーの姿は、周りの人たちの目にも、とても誠実で頼もしく映るはずです。
過去そのものを変えることはできません。

けれど、過去が持っていた「意味」を、これからの行動で「価値ある経験」に変えていくことができます。

私は、とことん前任者や関係者に食らいついて聞いて、そうやってきました。

あの日、丸ごと引き受けた自分を、いつか笑顔で褒めてあげられるように、誠実に始めていくのが未来志向。

その積み重ねが、前述の、「自分もいつか言われるんじゃ」…が、皆が笑顔になって活動出来る組織・団体にいつかなるんだと思うんです。

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